お米に寄り付く虫たち
食品等に寄り付く虫特集 第二弾「ジンサンシバンムシ」
「ジンサンシバンムシ」の「ジンサン」は、「朝鮮人参」の事を指します。つまり、生薬を餌とします。その為、「クスリヤナカセ(薬屋泣かせ)」と言われます。
また、生薬だけではなく、小麦粉・米粉・パン・ビスケット・菓子類・乾麺・香辛料・乾燥しいたけ・昆虫の死骸・革皮・植物標本・書籍・ペット用の飼料等幅広いものを餌とするので、進入経路の特定ができないやっかいな虫です。
さらには、この「ジンサンシバンムシ」には「シバンムシアリガタバチ」と言う、ハチの幼虫が寄生することがあります。
この「シバンムシアリガタバチ」のメスは、人を刺すこともあるので、二重に注意が必要です。
「ジンサンシバンムシ」の特徴は以下の通りです。
- 赤茶けた丸っこい体
- 人間の生活圏に普通に生息
- 成虫はよく飛ぶ
- 包装を食い破ることがある
- 食べ物の隙間に卵を産む
- 幅広い食性(生薬/穀類/加工食品/香辛料/革皮/植物標本/書籍/ペットの飼料)
この虫も発見した場合、「コクゾウムシ」と同様な対処が必要です。
(「コクゾウムシ」の対処法)
なお、お米を精米工程でお米の表皮を摺り落としますので、仮にお米の表皮にこの虫の卵がついていても、一緒に摺り落とされてしまい、製品内に入る可能性は極めて低いです。
また、家庭で虫が発生してしまい、仮にお米表面に卵があったとしても、洗米時に大きさが0.3mm位しかない卵は洗い流されてしまいます。さらに、炊飯時の炊き上げで高温になることにより、卵は死滅してしまいます。
万が一口に入ったとしても、毒性のある虫ではありませんので、人間に害を及ぼすことはありません。
「コクゾウムシ」同様、人間の生活圏に生息しており、撲滅は不可能ですが、精米工場内の清掃を徹底的に行い、極力外部から侵入を防いでおります。
次回は、「ノシメマダラメイガ」を紹介します。
※「ジンサンシバンムシ」写真提供:札幌市保健所『住まいの虫たち』