ピカまるの部屋

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お米に寄り付く虫たち

食品等に寄り付く虫特集第一弾「コクゾウムシ」

「コクゾウムシ」は、古くは縄文時代から人間の生活圏に入り込んでいた痕跡がある位、人間と付き合いの長い虫です。以下の特徴があります。

  • 成虫はゾウのような長い口を持っている。
  • 黒い体
  • 明るい所に出ると、ササッと暗い所を求めて逃げる。
  • 普通に人間の生活圏に生息している。
  • 暖かくなればなるほど、活動が活発になる。
コクゾウムシ


この虫のやっかいな所は、卵を「米粒の中に産む」事です。しかも、一粒に一個の卵を産み付ける丁寧さです。特に原料玄米の米粒の中に産み込まれた卵は、精米工程を経ても取り除ききれない事があります。
また、人間の生活圏に普通に生息しているので、会社/工場/学校/家庭等で外から進入してくることは十分にある為、進入経路の特定は非常に難しいです。
また、卵は0.6mmと顕微鏡で見ないと見えない位小さく、毒性のある虫ではないので、もし万が一食べてしまったとしても、人間に害を及ぼすことはありません。

もし、この虫を発見した場合は、以下の対処をおススメします。

  1. 保管されていた近辺をキレイに清掃する。砕けたお米や、床に落ちているお米をキレイに掃き取りましょう。
  2. 清掃した後、拭き掃除もするとより良いです。
  3. 米びつやハイザーで発生した場合は、容器の清掃をしましょう。
  4. ハイザーの場合は分解して清掃する事をおススメします。
  5. 発生したお米は廃棄する事をおススメします。お米を日向に広げたら、コクゾウムシが逃げ出しますが、お米に卵を産んでいる可能性はあるので、廃棄するのが良いでしょう。
  6. また、「タカノツメ」を小さな網の袋等に入れて、米びつやハイザーに吊るすと、進入の予防になります。(完全に防御は出来ません。)市販の予防器具も効果はあります。

精米工場では、防虫の徹底を行っており、極力外部からの侵入の防止、清掃の徹底を行っています。しかし、防除の為と言って、工場内での人体に影響のある「くん蒸」は一切行っておりません。

お米は他の農産物と同様、自然の中で育ち、また、それを食する虫達も人間界の中で生息しており、撲滅する事は不可能と思われます。
しかし、こんな虫が人間の生活圏に普通にいることを、これから4回に分けて、この虫達のことを紹介し、予防や対処の方法を皆さんお知らせしていきます。

次回は「ジンサンシバンムシ」を取り上げます。

※「コクゾウムシ」写真提供:札幌市保健所『住まいの虫たち』

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